その時の私の状態は、横になっていると軽い右足の疼きだけでしたが、
立つと右座骨の痛みと、右ふくらはぎのひきつった痛みと、
右くるぶしの激痛と、右足の甲のしびれでほとんど歩けない状態でしたが、
歩く時は体を左に傾けて、なにかにつかまり右足を引きずって歩き、
食事は横になったまま、少し上体を起こして食べました。
腰が痛いはずなのに、座骨や足の痛みが強いためか、
腰の痛みは我慢できる痛さでした。
3月14日から半月間、夫には半日休暇を取ってもらい、
車の座席を倒し、寝たままなるべく右足を地につけず、
這うようにして毎日治療所へ通ったものでした。
しかしその日から、仙腸関節の治療のたびに、
先生が私の足を持ち腰に先生の鍾が乗るたび、どっと冷や汗が出て、
私のうめき声に他の患者さんがびっくりなさってました。
腰を治療していただくのに、腰を触れられると激痛が走るが、
他の時は右足のくるぶしの痛みの方が辛く、
その痛みを文字にするのは難しいが、
くるぶしを固いものに、おもいきりぶつけたことはありませんか?
そんな痛さがずっと続いているような痛みです。
同じ病気の方は、ジョーズに噛まれたような痛さと言っておられました。
夫は3月14日から毎日朝5時に起き、
先生に教えていただいた治療(骨盤押し上げの調整法)
を私に20~30分し、家事をこなし会社へ。
夜は休む前にかならず朝と同じように、
骨盤を調整してくれました。
ですが、夫にいつまでも送ってもらうわけにもいかず、
4月1日からは駅までタクシーか友人の車で行き、
電車で20分、駅から歩いて2~3分。
ようやく着くと、待合室では倒れるように横になっていました。
いつも治療していただいた日は痛みも忘れてよく眠れ、
食欲も出て体のほうは半月前よりずいぶん楽になっているのですが、
100あった痛みが80に減っていても、
変なもので前の100を覚えていないのです。
半月前は、家のトイレに這いながら行っていたのが、
今は壁伝いに行けるようになっているのに、
毎日足が痛い、くるぶしが痛いと言っておりました。
ある日、先生に「電車の中からたくさん桜が見えるでしょう?」
と聞かれビックリ。
もう4月になっていたのに、見ると電車からだけではなく、
治療所の前の小学校の桜が満開なのに、
私は下ばかり見て歩いていたので、
まったく気がつかなかったのです。
改めて小学校の桜を見上げて、目から鱗が落ちたように感じました。
私はいつも痛いところのことばかり考えていたのです。
痛みは昨日、一昨日と比べると変わらないように思えますが、
1週間あるいは1ケ月前とは大きな違いだったのです。
先生が「痛くても自分の足で治療に来るということが大事なんだよ」
と言っておられたこともようやく実感できたのもこのころです。
月刊自然良能より