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長崎市筑後町3-22-803

(4) 長い間苦しんできた股関節変形症

10月の末には、足の調子はさらに良くなって、
お友だちと紅葉見物に出かけ、楽しい時間を過ごしました。

このころになると身体の歪みもだいぶ取れてきて、
日々の動きも楽になり、毎日が自然と明るくなり、
治療も一日おきになりました。

そして春の気配がただよいだした3月に入ると、
左側のお尻のあたりに少し痛みが残るのと、

歩きはじめに股関節に痛みを感じることを除いて、
身体の違和感はほとんど取れました。

お天気の良い日にはかならず散歩をするようにし、
当初は20分くらい歩いていましたが、
次第に時間を伸ばしていき、また階段を上り下りしたり、
坂道を歩いたりして筋肉をつけるよう努めたのでした。

だから、5月ころには1時間くらいなら
休まなくても歩けるようになっていました。

上半身もだいぶ曲がるようになり、
靴下をはいたり、爪を切ったりするのが
楽にできるようになりました。

ゴムバンドを巻いての腰回し運動も、
一度に400回を日に3度、毎日欠かさず行い、
夜は足の付け根をほぐすように
足を動かす運動も加えて努力したのです。

このころになると近所の人たちから、
「良くなってよかったわね」と声をかけられるようになりました。
あの苦しい時が嘘のように思えます。

こうして7月には10日間、主人と一緒に念願であった
海外旅行に出掛けることになったのでした。

家の近くに住み、日ごろから親しくしている人が、
欧州に家をもっていて、実は2年前にも一緒にいきませんか?
と誘われたのでしたが、その時は私はまだ大変な状態であり、

主人も猛烈に反対しましたから、そのお話は流れてしまいましたが、
今回またお誘いを受けた時ちょっと不安もありましたが、

もともと一度は行きたいと思っていたところでしたし、
年齢からいってもチャンスかもしれないと考え、
OKの返事をしたのでした。

まさに待望の海外旅行でした。
フランスも素敵でしたし、イタリアの遺跡ばかりか、
なにげない裏通りにも魅せられましたが、
なんといってもスイス・アルプスの雄大な景観には感動しました。

私は自然の偉大さを改めて感じました。
同時に、そんなアルプスの山に自分の足で来られたことに、
泣きたいほどの感激をおぼえたのです。

私は、両膝にしっかりとバラコンバンドを巻いて、
そんな山々を巡り、一面草花におおわれた草原を逍遥し、
マッターホルンの膝もとから麓まで自分の足で歩いた。

しかも同行の仲間たちに遅れることなく、
同じ行動がとれたのでした。
この感動は忘れられません。

こうして歩き通すことができたのも、
「一所懸命骨盤調整を信じ、つづけてきた結果なのだ」と、
心から思っています。

私は日本へ帰ってきて、思わずいったのは、
「足よ、ありがとう・・・」という言葉でした。

いまは、歩き始めるときにおばえた股関節の痛みが
まるで苦にならなくなり、何時間も山を歩いても、
痛みがでなくなりました。

また、いつの日にか海外旅行ができたらと
思いつつ治療をつづけています。

先生には誠意ある治療をしていただき、
ただ「ありがとう」の言葉しかありません。

そして、私と同じように苦しんでいる人たちのために、
前向きに治療をつづければかならず良くなるということを伝えたくて、
この手記を書かせていただきました。

■ 新たな励みの出来事

Kさんが、待望だった海外旅行から帰ったのは七月下旬でしたが、
それから9月の頭までに計17回、私の治療所に通ってきました。

(もう2度と悪い状態にもどりたくない・・・)
との強い思いがあったからでしょう。

なにしろスイス・アルプスの山々は岩や石がゴロゴロある、
いわゆるガレ場つづきの道ばかりで、

しかも平坦なところはほとんどないと、Kさんは話していました。

そうした坂道を上り下りしてきたのですから、
そのときは気持ちの高ぷりもあって平気だったかもしれないが、

帰国後にどっと疲れが出て再発しないかという
恐れもあったようです。

だが、そんな心配は心配のままで、なにごともなく終わってしまいました。

帰国後、すぐに治療したこともよかったのだし、
それだけ回復していたのも事実でした。

実は、2年前にもKさんから、「お友だちからスイスヘいきませんかと
お誘いを受けているのですが・・・」と相談されたことがあったのです。

ただ、そのときは大変な状態であり、そのことは当人もわかっていたようで、

「主人は、とんでもないことだ。
そんな状態でどうして旅行になんか行けると思う」
そういって大反対なんですよ、と苦笑していたのでした。

私は、その言葉の裏にある悔しさ、無念さがひしひしとわかりました。

そのKさんが「大変なことになった」という同年の症状は、
ご自身が書かれているように、
娘さんの出産のとき、2歳になるお孫さんの面倒をみることになり、

そのお孫さんを連れて坂道のある病院へ、
毎日見舞いにいった疲れから悪くしたものでした。

Kさんの娘さんが「腰が痛くなった」といって、
治療に来たことがあります。

Kさんが受療しはじめて約1ヵ月後のことです。

そのときは10回ほどの治療で軽快し、
その後結婚し、第一子を妊娠中にも「安産のため」と
何度か治療に通ってきました。

いま、上は4歳半、下は2歳になり、
ときには取っ組み合いの喧嘩もしているとか。

いずれにしても、全てハッピーな結果になったということで、
治療に携わるものにとっては、なによりのよろこびではないでしょうか。