(2) 2回目のギックリ腰、日に日にひどくなって

■ 腰痛の本質を知らずに苦しむ人があまりにも多い 

ひどい腰痛になって病院へ行き、整形外科での診断で宣告された病名は
「椎間板ヘルニア」だったのです。

加えて「手術をしなくてはならんでしょう」と医者に言われたのでした。
しかも、あまりの激痛だったとかで、
その病院でプロック注射を8回も打たれたというから驚きの一語です。

この(現代医学でいう)神経ブロック療法については、
専門書などでは「痛みの原因を取り除くことよりも、
痛みを鎖めてコントロールすることに焦点を当てた疼痛療法」
のひとつであるということです。

つまり、痛みに関係する神経や周辺に局所麻酔薬を注射して、
痛みの伝達を遮断する方法であって、
痛みから生まれる悪循環の改善に有効だというものです。

この神経プロック療法なるもので、
もっとも多く行われているのが「硬膜外プロック」で
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に適している。

その他「腰部交感神経節プロック」「神経根プロック」など
これは、横を向いて寝ている患者さんの背中を消毒した後、
仙骨裂孔より硬膜外腔に局所麻酔薬を注射するものです。

打った当初は多少血圧が下がり、
下肢の知覚が少しマヒした状態になりますが、
そのまま一時間ほど横になっていると、
下肢の知覚が正常にもどり普通に歩いて帰れると説明しています。

しかし、ここで先に記した神経プロック注射は、
「痛みの原因を取り除くことよりも、
痛みを鎖めてコントロールすることに焦点を当てた疼痛療法」
との言葉を考えていただきたい。

治療とは、痛みの原因を正しく把握し、
それを収り除くことではないでしょうか。

原因がわからず、当然のように効果的な療法がないから、
逃げの便法としてもっともらしく言っているに過ぎないのです。

「医者では腰痛、神経痛は治せない」
五味会長は常々過激にそう言明していますが、実際にその通りなのです。

しかも、硬膜外プロックの仙骨裂孔に注射するのは、
熟練した技術が必要との但し書きがあるだけに危険度も高いわけです。

そんな「治す」ためではなく、検査の延長でしかないプロック注射を
8回も行ったのですから驚きです。

「そないなもんやったら駄目ですよ」もっと前に来られたら、
そう言って注意しましたが、やったあとでは繰り言に過ぎません。
ただ「あぶないこと」にならなかったのが幸いだったようです。

運動好きで、しゃきしゃきした気性の人です。
本当に明るい人ですが、私の治療所へ来た当初は、
本当にうちひしがれて、暗くつらそうでした。
向型だけに、つらかった時のギャップは大きかったように思えます。

月刊自然良能より