(1) 2回目のギックリ腰、日に日にひどくなって

病院で神経ブロックを8回も受けたのは・・・

椎間板ヘルニア・・・!

この病名を整形外科の先生から告げられた時のおぞましい衝撃は、
忘れようとて忘れられないものでした。

堪え難い痛みもさることながら、なんだか絶望感がないまぜになった。
重苦しいものがのしかかった感じだったのでした。

そして「これは、手術をしなくてはいけませんね」
と宣告された時には・・・。

腰痛というものを軽く考え、無頓着に過ごしてきただけに、
その落差が大き過ぎて落ち込みました。

私はもともとが外向きの明るいということは、
物事を深刻に考えない楽観的な性格だということです。

そして運動好きで、3年前からジョギングとエアロビクスをやっていました。
腰にある種の違和感をおぼえるようになったのは去年の初めでした。

だけど、さして気にも止めませんでした。
ジョギングとエアロビクスを頑張りすぎた疲労からと思い、
とりたてセーブしたわけでもありませんでした。

実は10年前にギックリ腰をやったことがあります。

でも治療らしい治療をしないまま、
いつしか痛みは消えてしまったので、
「腰痛ってものはそんなものでは・・・?」と、
いたって軽く考えていたのは事実です。

部屋の模様替えで、テレビを移動したのです。
非常に重く、腰にギシッと負担がかかったのを
はっきりと自覚したのでした。

私もその瞬間、もしかしたら・・・?
10年前にやったギックリ腰の感覚を思い出したのです。

それでも、その予感がより悪い形で現出するとは、
当初は思いもしませんでした。

前のギックリ腰は何日か放っているうちに、
知らぬ間に消えてしまいました。

今回は前のようなドカンとした自覚症状ではなく、
しくしくした不快な疼痛が翌日から続いたのでした。
「いやーぁな感じ」でした。

でも、まだ楽観的に、そのうちに前回と同じように消えるだろうと思い、
なんの手当てもせずに放置していたのでした。
しかし消えるどころか日に日にひどくなっていったのです。

そして、4月半ばこ頃、まさに火山の噴火のような、
凄まじい激痛に見舞われ、立つのも、座るのも、歩いたり、
日常の動きもままらない状態になったのでした。

どうにも我慢がならなくなって、
整形外科に駆け込み助けを求めたのです。

レントゲンとMRIの検査の結果、
先生の宣告は「椎間板ヘルニア」であったのです。

そして「この状態だと、結局は手術しなくてはならないでしょう」
と言われショックでした。

そして、とにかく痛みを鎮めるためにと、
ブロック注射をされたのでした。

4月に週3回、5月に入って週1回のペースで、
合計8回受けました。

私はブロック注射も治療の一環だと思い、
言われるままに受けたのです。

しかし、後に治療に通うようになる自然良能会の先生に
そのことをお話しした時に、先生は「そんな危ないことを8回も」
と言われたのでした。

しかも、プロック注射は「治療」のためのものではなく、
検査の延長に過ぎず、単に痛みを鎮めるだけのものであることも教えられました。

しかし、その時はそうしたことは知りませんから、
言われるままに8回もやったのでした。

たしかに受けた当初は、鎮痛剤(局所麻酔薬)を
仙骨裂孔より硬膜外腔に注射するのですから(当然のように)
腰回りの痛みは取れました。

だが、注射した後は左下半身に鈍痛があり、ふくらはぎから下、
とくに足首の痛み、足首の上下のしびれはひどいもので、
感覚が鈍くなってしまいました。

つらさと不快感は経験したものでなければわからないものだと思います。

それでも、痛みがそのまま取れるのであれば、
なにもいうことはないのですが、すぐにまたあの激痛がもどってしまいます。
うんうんと苦しむ羽目におちいってしまうのです。

それで8回もそんなプロック注射をしてしまったのですが、
どうにもならないジレンマに悩みながら、
次第に蟻塚に足を踏み入れたような恐怖感にとらわれていた時、
知り合いの人から「骨盤調整」という治療をやっている
自然良能会のことを教えられ支部の先生を紹介されたのでした。

最初の時は、電車では立っていることもできず、
座ってはいたのですが、それもつらくて、
着くまでが実に長く感じたものでした。

そして駅に着いて、駅の階段の上がり下りがこれまた難行苦行でした。
やっとの思いで辿り着いたのです。

先生は嘱々とした風貌の先生で、あまり多弁を弄することもなく、
いわゆる「先生」の重々しさを押し付けることがまるでない人ですが、
いうにいわれぬ温かみを感じさせ、
また治療所の中もいたって静かなのですが、
実に和気藹々とした雰囲気に満ちていました。
(ここならば・・・)と希望がもてました。

治療が終わると、びっくりしました。
これまで感じたことのない身体の楽さ、
軽さがはっきり実感できたのです。

私の直感は間違っていなかったと思いました。
これならば私の悩みもなんとかなるのでは・・・?。
感激しました。

そして、なぜもっと早くここに来なかったのかと、
口惜しく思ったものです。
それから私の骨盤調整への通いがはじまったのでした。

そして、30回の治療で、今では日常生活になんの支障もなくなったのです。