(1) 長い間苦しんできた股関節変形症

持ち前の頑張りて克服してアルプスの山を踏破した

股関節脱臼など股関節に関わる症状は、
難症中の難症といえます。

そのことは何度も紹介されているように、
症状のひどさもさることながら、
治癒するまでにかかる期間も、
他の症状と比較すると異常と思えるほどに長いのです。

それは、この症状が表に出るまでの潜伏期間の
長さと比例するものです。

股関節脱臼は、股関節に異常な負担がかかったり、
転倒やその他の事故による外圧で脱臼するという
後発性のものもありますが、

多くは先天性股関節脱臼で、お母さんの胎内から
生まれ出てきた時から股関節を狂わせていたケースです。

そのことに気づかないままか、
他の子どもたちのように活発に動けないが、
なんとか日常のことはできるのでそのままにして、

成人する間際や、結婚して子どもを出産する30前後、
さらに遅い人は40代になって症状が出るといったもので、
そうなると痛いだけではなく、歩行もままならぬ
「地獄の責め苦」のような苦しみを体験することになるのです。

とにかく発症までが長いのです。

「それだけ長い年月をかけて悪くしたものを、
短い期間で簡単に治るものではないですよ」

と私たち治療に携わるものは患者さんにいいますが、
なかなか納得しません。

患者さんにすれば、凄まじい痛みと苦しみを
一日も早く解消してもらいたいという思いしかありません。

だが、骨盤調整はどんな症状にでも、
最初からなんらかの変化を示す画期的な治療法ですが、
難症の股関節脱臼だけはそうはいきません。

先の言葉は、そのままが事実なのです。

とはいっても、患者さんにすれば
何回調整を受けても反応がでないと、

焦れ、不安になり、疑心暗鬼になって
ついには自然良能会では治らないと思い、
来なくなってしまいます。無理からぬことです。

だからといって、途中で挫折するのは
患者さんの判断だから、とはいえません。

それでは患者さんがあまりにお気の毒です。

この症状に対しては、患者さんに誠意をもって
説得することが重要なカギになると思っています。

最初にまず股関節脱臼の本質をよく理解していただき、
前向きな気持ちと頑張りで取り組むように、
患者さんとよく話し合うことが大切だと思います。

ご紹介するKさんも、そうした一人です。
Kさんの場合は股関節変形症で長年苦しんだのでしたが、
持ち前の頑張りで克服して、スイス・アルプスの名山
3000メートル級の山々を踏破したのでした。

これには本当にびっくりしました。

Kさんが、知人に「私も経験したのですが、
腰の痛みも頚筋の痛みも、他でよくならなかったのが
良くなっていく治療所があるから、ぜひ行ってみたら」

と勧められてきたのはその時、51歳。

訴えた症状は股関節変形症。症状が出だのは結婚後、
40歳になって間もなくのことで、
仕事をしてきた夜には、
脚の付け根がズキズキ痛むようになったというのでした。

(この痛みはなんだろうか・・・?)
と冴しく思い、それでも
(そのうちになんでもなくなるかもしれない)と思って、
放っていると、いつまでたっても痛みが消えないので、
病院へ行き、整形外科で診察してもらうと

股関節変形症と宣告されたそうです。

そして、医者からは、
「これは治らないかもしれない」と言われたのです。

ま、それなりの手当はするが・・・。
医者はそう付け加えたのでしたが、

それなりの処置をしても、最初から「治らない」と
突き放されるのは、
よくよく考えればまことにヘンな話です。

これは五味会長が述べておられるように、
現代医学は病名は付けるが「なぜそうなるのか?」
という原因、正確なメカニズムがはっきりしない。

ただKさんは、医者から「治らない」と言われた以上
治らないものと落胆し、
どうしたらいいのだろうと途方にくれたといいます。

股関節変形症になったのは、「生まれつきではありません」
とKさんは説明しました。

いまから約20年近く前の32歳の時です。
バイクで走行中に、
突然前に犬が飛び出してきたのです。

思わずハンドルを切ってそれを避けようとした瞬間、
バイクもろとも転倒してしまったのでした。

その事故で足の付け根を痛めてしまい、
すぐに病院へ行こうと思ったのでしたが、
痛めた個所が個所でしたからなんとなく恥ずかしくて、
湿布を張って一時しのぎをしていました。

そのうちに痛みが消えてしまったので、
「なんだ、治ってしまった」と思い、
気に止めなくなって10数年を
そのまま過ごしてきたといいます。

そして、40半ばになった時です。

Kさんが「治った」と思っていたものは、治ったのではなく、
ただ身体の中にもぐり込んでいた、
いうなれば休火山みたいなものであって、
その症状が突然ふき出たのでした。

以前の股関節変形症と同じもので、
その時、治ったと思ったものは間違いだったと
さとったといいます。

それでも当初は、夜に足の付け根がズキズキ痛んだり、
階段の上がり下りが大変ではあるが、
どうにもならないという状態ではない。

以前に整形外科で「股関節の変形は治らない」
と宣告されていたので、病院へいってもしかたがないと思い、

つらいなりになんとか動けるので、
さしたる手当もせぬまま過ごしたのでした。

そして何年か経ちました。
Kさんの症状は確実に悪くなっていったのです。

知り合いの人に勧められて自然良能会へ来たのは、
Kさん、51歳でした。