手術なしで治るとは・・・
治療に通い始めてからの出張は予定通り出かけた。
息子に荷物を持たせて、私は荷物を持ち上げなかった。
空港の冷房はやり切れぬ寒さ感を足に与えた。
困ったときには座薬を使った。
知り合いの父親もこの病気で手術をした後たった。
治療のお盆休みになった。
とうとうなんの変化もなかった。
夜は連続30分しか眠れぬ日々はいつもどおり。
お盆休みは少し気持ちが落ち着かなくなってきた。
本当に治るのだろうかと不安になってきたのだ。
家でできる腰まわしと、
家内にうつぶせ足回しはずっとやってもらった。
腰まわしは、30分しか連続睡眠が取れないとき、
つらくてしかたがなくて起きてきて、
30分ほどもベルトで締めて腰まわしをするのだ。
お盆明けの初日からも治療所に通った。
しかし、治癒に間する疑念も生まれ始めていたが、
「手術なしでなおる」とおっしゃるんだから。
こうして再び通い始めたころ、
2時間連続睡眠ができる夜が時々訪れるようになった。
燭光が見えた感じがした。
そしてまもなく、週に3日でよい、
週に2日でよいといわれ、8月末にはまだ、
痛いにも関わらず70点取れたから卒業ですと言われた。
まだ、連続5時間の睡眠しかできなかった。
先生は後は自分の努力だと言われた。いささか不満であった。
しかし、治療はあくまで、助け本懐は自力でと言うことなのか?
完治はないのかしらと思いながら、
その後、年末まで、2週間に1度、1月に1度と回数が減っていった。
こんな、ゆるい通いになったころ、先生がおっしゃるには、
背中の骨が腹の方に自然に正しく弯曲していないで、
悪い場所(第5腰椎のあたり)が後ろにとびでていたそうである。
そのあたりの肌の色がとても悪かったそうである。
私は、30代まではギックリ腰をよくやったが、
40代になって、長らくそれをやっていない。
それを良しとしていた。今回も腰は痛くなかった。
しかし、自然良能会に通ううちに、
ギックリ腰のときに痛かった腰椎の場所が痛くなってきた。
五味先生の本によれば、ギックリ腰で痛みを感じるようなら、
すぐ治ると書いてある。
どうやらギックリ腰がずっとなかったのは、
それも感じないほど、悪くなっていたようだ。
とにかく、通いだして腰の悪いことが実感されてきた。
たいした荷物でなくても腰痛を感じるようになった。
痛さとふらつき感で寝返りができない。
寝返りができないことが、また痛さを増す。
立ち上がることも本当に難儀だ。
机仕事が多いのに本だなから本を取るのが億劫だ。
ペンでも床に落とすと恨めしいほど拾うのに難儀する。
かばんは均等持ちにするために、リュックに換え、
軽くするために弁当も止めた。
治療所に電車で通って気がついたことふたつ。
階段の手すりがなんと有難いことか。
もうひとつ、日頃全く気がつかなかったが、
電車から降りて、電車が去った後、
改札口まで人の流れに乗れない人がかならずいることだ。