治療して3年くらいしたころまでは一進一退で、
時折治療所まで車で連れて行ってくれる主人が、
「本当によくなっているのかい?
なんだか以前より悪い歩き方をしているよ」
と言ったこともありました。
悪いところが全部ふき出ているころでした。
家で掃除をしていた時、
悪い右足がなんだか変だなあと感じました。
バンドがきついのかしら・・・?
と思ってゆるめたりしましたが変なのです。
足のもものつけ根がキューンと痛くなって硬直し、
つけ根が曲ったまま動かなくなりました。
痛くて痛くて体を動かすこともどうすることもできません。
片手で椅子を引きずり、片手で襖につかまり
2mくらいのところをやっとの思いで
ベットにゴロン、ベットの縁に下った足を
痛たっ、痛たたたっと言いながらあげてもらいました。
今度は体が痙攣して歯がガタガタ震えるし、
顔は熱くなるし咽は乾く・・・。
足元はスーツと冷えてくるしで、
どうなることかと思いました。
口に氷を含み、ただハァー、ハァー言って頭を冷やし、
冷めたくなる足にホカロンを
4つも5つもつけて曲った足を動かないように
紐で引き支えて息を殺すのみでした。
痛み止めの坐薬を使い、絶対安静にして6時間、
やっとのことで足をのばすことができました。
こんなことが1週間に3回くらいの間隔で4回、
一度は夜中に寝返りを打った時におきて、
その夜は眠られませんでした。
本当に苦しくて辛かっかです。
地獄の責めってこんなのかしらと思い、
2度とあんな体験は絶対にしなくないです。
どうしてなったんだろうか・・・?
悪い足に力が入り過ぎたのかしら・・・?
それとも疲れからくるのかしら・・・?
動きがスローモーだと血の巡りが悪いので
頭の回転もよくありませんが、
おぼろげに右足に疲れが混んでくるとなるような
気がしてきました。
足がが弱いからだ足に力を
つけなければいけないと思いました。
右足の腰は左足腰の5分の3くらいの太さしかありません。
椅子に掛けてもベツトで休んでも、
体が右側に下がる感じです。
少しでも足に力をつけなければと思い、
散歩を仕事にすることに決めました。
しかし、痛いところを我慢して歩くということは、
気持ちはあっても体がなかなかついていきません。
当時は腰回し運動もつけ根が痛くて全然できませんでした。
自分に厳しくなければなりません。
雨の日も晴れた日も痛みから抜けたい一心で
1.3キロくらいの道程を毎日歩きました。
すると1年くらいして不思議に前はこんな調子になると、
足がつった感じなのにと思いましたが、
つらなくなりました。
元気がついてきたのです。
家の近くには山坂が多いので、
これも足にプラスになったと思います。
そして今では、きちんと2本揃えて立つことができます。
毎朝神棚に手を合わす時、
しっかと眼で確かめています。
お辞儀も40度近くまで曲るようになりました。
座ることはできませんが、
片足立ち、お辞儀は目礼ほどしか
できなくなっていた私に元気が甦ってきています。
これもみな自然良能会のお力と恩っています。
私と同じ境遇の人を見ると、
若いから治療をすると治るのになあと思ったり、
勧めたりしますが、こればかりは自分から治そう、
治ろうという気持ちがなければ駄目です。
先生が「病気に負けたら駄目ですよ、
もう駄目だと恩ったら、
そこで病気は止まり、治らないですよ。
病気に勝つことが治ることです」
と言って下さった言葉が、私の治療の支えです。
道は長いですが、自分の力で続けられる限りは
頑張りたいと恩っています。
柏支部の先生が、20年余り股関節脱臼を治療して
治療師になられているというエツセイを読み、
偉いなあと思いました。
私は60歳で治療をはじめたから、
120歳まで頑張らなければいけないね・・・
と笑って話しています。
治療に行く時も足で行く、みんなリハビリにつながり、
足の力につながると毎日をあせらず着実に頑張っています。
月刊自然良能より