病気にならない自己管理がなによりも基本!
健康管理は治療師の心得
私たちは日々、病める人を治療している。
それが、仕事である。
義務とか責任といった肩肘張ったものではなく、
当然なすべきことを努めているまでだ。
だからこそ、「治る治療法」の模索には、
素直な姿勢が肝要だと思う。
そうした気持ちは、医師、治療師の区別なく、
治療に携わるものに共通して言えることだ。
前号で、私は「腸間膜」について説明した。
私としては、一つの提言をしたつもりだ。
腸間膜という小さな存在が、
現代医学と骨盤調整法の合読点となり、
よりよき治療法の研讃を示唆する、
いわば大きく拡がる波紋を期待して投じた
池の中の一石になればとの思いであった。
五味会長が主宰する「月刊自然良能」に、
こうして連載を受け持たせていただくことになったのは、
会長との以前からの御縁だが、
せっかく与えられた機会である。
医師の立場からいろんな提言をして、
医師・治療師の立場を超えて、
よりよい治療への道の一助になればと思っている。
そこで今回は「健康管理」について説明しよう。
健康管理は、いねば治療の原点。
一度は書かなくてはならぬ問題である。
それは人に言うばかりではなく、
私白身も心がけなければならぬ問題なのだ。
冒頭に、病める人を治療すると書いたが、
自分白身が元気でなければ良い治療はできない。
「医者の不養生」という言葉があるが、
健康管理は医師、治療師の姿勢と言えよう。
そこでまず、次の標語を覚えておいてもらいた。
「肥るまい、煙草を阪うまい、
塩摂るまい、毎日かならず一万歩」
語呂がいいので記憶しやすいだろうが、
この四項目が健康管理の原則である。
まず「肥満」
高血圧や糖尿病等に密接に結びつく。
その高血圧であるが、WHO(世界保険機構)
で定義した数値は、
160・95mmHg以上を高血圧としている。
140・90よりも低いのが理想だ。
また糖尿の場合、よく「尿に糖がでる」と言うが、
それだけの簡単な検査では当てにならないこともある。
尿には出ても、血液中の血糖値は正常だというケースもあり、
逆に尿糖マイナス、血糖高値という場合もあるからだ。
だから、血糖検査までして診断するほうがよい。
正常な血糖値とは(空腹時の血糖で)
60~110mg/d?である。
140以上は精密検査の要あり。
170以上は糖尿病の疑いである。
肥る・・・というのは脂肪がつき、
なかでもコレステロールがよくない。
前記の高血圧、糖尿病も
コレステロールと大いに関連がある。
医学的な平均値は130~230mg/d?。
理想の数値は200だという。
患者には、「コレステロールが高い」と悩む人が多いから、
治療関係者などは正常数値を覚えておくと、
判断材料となるだろう。
では、肥っている、痩せているの規準は、
標準体重測定数式の、
(身長-100)×0.9=X
で割り出して、答えと自らの体重の対比で判断すればいいだろう。
しかし、この計算法だと、身長の高くない人は合わなくなる。
162cm以下だと当てはまらないのだ。
そこで学者が統計的に考えて編み出した計算法が、
次の方式である。
(身長-50)×0.5=X
この計算で、身長の低い人のだいたいの標準値が計測できよう。
月刊自然良能より