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① 五味式骨盤調整理論 腰痛について

骨盤調整の主要なテーマは「腰痛」

いまや腰痛は、3人に1人あるといわれている。
昔は40腰といわれた。
人間の体も40年使うと全体に慢性的疲れがでてくる。
そこへ更年期、そして老化に入る。

そのとき、人体の中心である骨盤に症状がでて、
腰痛となるわけである。

このごろの腰痛は、慢性だから骨盤が硬くなる。
そのぶん、下肢に負担がかかる。

今度は坐骨神経痛になる。
これはつらい。
歩行、立ち座りなどで刺激が加わると、
きゆっ、きりっとつれて、痛みで動けなくなる。

医者へ行くと痛み止めの注射をうってくれる。
痛みがとれると歩き出せる。
「治った」と思う。

その頃の医者は、モルヒネを使うことができた。
いうまでもなく麻薬である。
薬効が切れると、また痛み出す。
そこで注射。

当初は効力は長く保つが、
慣れるにしたがって回数が増えてくる。

麻薬患者と同じ傾向になってしまうわけだ。
これは悪いと、モルヒネ使用が禁止された。
それに代わる鎮痛剤ができたが、
効きめぱわずかである。

「あっためなさい、温めなさい」といわれ、
薬は栄養剤などさしさわりのないものになる。
腰痛、神経痛は昔から治らない病気であった。
医学が進歩した今日でも神経痛は治らない。

当時は人生50年、いまから較べれば短命であった。
病気もそれまでで、死ねば全ては解決である。

不景気のころは、一生懸命働いてつつましく
暮らしてかろうじて生きていた。

今は50代で死ぬと過労死だとかいろいろ問題になるが、
昔はそれが当たり前であった。

現在、男76歳強、女が82歳と、
世界でも一、二の長寿国になった。
それだけ生活が豊かになったともいえよう。
豊かになるにしたがって、腰痛者が多くなった。

それが年々増えていく。
しかも元気で働き盛りの青年層に増えてきた。
患者の数が増えてくると、
真剣に研究しなければならない。

腰痛というと、よく「椎間板ヘルニア」と病名がつく。
理由は、椎骨と椎骨の間に軟骨があって、
なんらかの理由で軟骨がぱみ出した。

はみ出した軟骨は骨化する。
それをヘルニアという。

一方、椎骨の横に椎骨切痕があって、
そこから脊髄神経が分布する。
この脊髄神経に出っぱった軟骨が当たって、
痛みが出ると解明されている。

治療は・・・痛み止め、コルセット、
いろいろな治療をする。

どうしても治らなければ手術ということになる。
「手術」は最後の手段である。

月刊自然良能より