② 五味式骨盤調整理論 腰痛について

誰でも体にメスを入れらるのはいやなものだ。
「治る」と思うから医者を信用して手術をするわけだ。

切られるのは自分なのだ。
失敗に終わっても、やり直しはきかない。
「切って治るのですか?」と聞くべきである。

手術のとき、かならず同意書なるものを取られる。
より悪くなる場合もある。
それを承知しますという意味の文章で署名捺印をする。

医学理論からいうと、椎間板ヘルニアになって
出っぱった軟骨が神経に当たって激痛がでるという。
その軟骨を切って取るのだから治るはずである。

だが治らない。
それは理論が確かではないということである。

腰椎の4、5番、ここでヘルニアになるケースが多い。
狂った椎骨は斜めになる。
椎骨板はクサビ形になり広いほうへ軟骨が突出する。
これを切り取る。

そのあと斜めに傾いている椎骨を
平にするために腸骨の上端を切り取って
せまくなっているほうにはさむ。

手術が終わると動かないように腰部を固定し、
一ヶ月余り安静にし、固まったところではずす。
それから徐々に動く訓練をする。
段々、動くようになる。

長い間仕事を休んでいた。
痛みがなくなれば仕事が気になる。
痛みは、狂った関節が動くために
神経を刺激して発生する。

仙腸関節が軸になって動きが始まる。
反対の仙腸関節に動きが移行するとき、
腰椎が中継をする。

腰椎は左右の仙腸関節が動くたびに使われるから
単純計算で2倍の労力が必要である。

そこへ上半身の体重がまともにかかっているから
想像以上の負担がかかっている。
関節に痛みが出ると、その痛みが刺激になって
筋肉や靭帯は萎縮し動きを止めてしまう。

仙腸関節の動きが止まれば痛みはでない。
腰椎は、固定されているから
ここにも痛みは出ない。

そのかわり動きも小さくなる。
仕事をするには、
ある程度の動きがなければならない。

毎日の仕事が訓練になり腰椎が徐々に動いてくる。
どうやら仕事ができるころになると、
手術したことを忘れてしまう。

痛いこと、苦しいことを忘れるのは、
自然現象で悪いことではない。
つい無理をすると固定した隣りの骨に
無理がかかって痛みが発生する。

手術は最後の手段である。
また切りましょうという医師はほとんどいない。
患者はガッカリするわけだ。

どうしてこうなるのか?

腰椎は、1番から5番まである。
その下に仙骨がある。いずれも関節を形成する。

仙骨は正常なとき、前方に35度に傾いている。
5個の腰椎は15度の角度で前方にカーブしている。
そのため椎間板はクサビ形に腹側で広くなっている。
(ヘルニアになりやすい形)

横突起は後方に水平に出ている。
これが体が横に回転しやすくするためである。

横突起の先端部の上下に関節がある。
上半身、そこへ物を侍つ、そこへ動きがある。
それらに耐え得るために椎骨は大きくなっている。

これが人体の大黒柱を形成する腰椎部である。
この大黒柱に対し土台の働きをする骨盤。
骨盤を形成する骨は、左右一対の寛骨。

後正面に軍配形の仙骨がある。
この3個の骨で楕円形の骨盤を形成している。
そこへ尾骨、第5腰椎が加わる。

骨盤の動きをする関節の数は、
左右一対の仙腸関節(2個)、
左右一対の股関節(2個)、
腰仙関節(1個)以上である。

注意することは、前下方にある恥骨結合。
関節ではないが、軟骨で結合している。

恥骨結合部の軟骨は、
ほぼ脊椎にある椎間板軟骨に似ている。
軟骨の深部がゼリー状になっていて、
関節同様の動きをしていることだ。

月刊自然良能より