椎間板ヘルニアその他の全身症状で悩む患者を治療して思ったこと
真面目にご自分の身体と向き合い、取り組まれている方で、
私が記憶しているなかでも、熱心な患者さんのひとりです。
車で通うには二時間半かかります。
その距離をご家族の協力のもと最初のころは
週に二回のペースで通われていました。
通い始めた当初はとてもひどい状態で、
杖を突きながら来られていたことを覚えています。
とにかく痛みがひどくて、
歩くのがままならないといった様子でした。
その時、椎間板ヘルニアと診断されていましたが、
それだけではなくいろいろとつらいところが沢山あり、
下半身のつらさだけではなく、
上半身にもつらさがおよび、肩こりゃ頭痛といった症状まであり、
ほぼ全身につらさがきておられました。
そして、治療が進むたびに好転反応も出てきて、
そのつどこれを超えなければいけないことや、
変化の過程は薄紙を剥がすような取れ方であることを
理解され、日々努力を重ね、今日の状態まで回復されました。
あと身体としては、仙腸関節の動きが出てくれれば良いのですが、
まだ、もうひとつの芯の硬さがあり
スッキリとはいっていないのが課題といったところです。
腰以外の状況としては、なかでも眠りが悪く、
16年間も睡眠薬を服用していたのでしたが、
治療のおかげで最近は薬を飲まなくなり、
ご本人も薬なしで眠ることのできる喜びを
感じておられるようです。
睡眠薬は副作用がきついのでできるだけ
飲まないで済めば飲んで欲しくない訳ですが、
患者さんのつらさを考えるとほんとに心苦しいところです。
通常はやはりつらさから、途中で他の治療へ移ったり、
やめてしまう方もいらっしやたりするものですが、
「なんとしても楽になりたいんです」という熱い思いに
突き動かされるようにして、今日までやってまいりました。
その結果、痛みからも解放され、
そして眠りまでよくなったのです。
そうした積み重ねが私たちの治療には大事であると、
改めて心にとめることができ、
この上ない喜びを感じているところです。
月刊自然良能より