(4) 腰椎椎間板ヘルニア 腰痛と坐骨神経痛

腰椎椎間板ヘルニア
痛みを知って健康の大切さを学んだ

腰痛の実態を理解して

「腰痛」という言葉は、一見やわな印象を受け、
緊迫感を感じさせないようですが、腰痛の実態は実に多様です。

しかも大変やっかいなものです。

「たかが腰痛」などとすまされるものではないのです。

自然良能会がとかく安易に考えがちな
腰痛に対する誤解を是正するように
苦労してきましたし、いまもってそうです。

腰痛のあまりのひどさ、苦しさで
「生きること」を悲嘆するまで落ち込んだ・・・

そうした若年層にまでおよんでいる
腰痛の実態を考えさせる問題であるように思います。

腰痛の「なんたるか」をよく理解して、
治るための真摯な努力をおこたりませんでした。

そうした懸命な努力が良き結果に結びついたと思っています。

可能性を信じ治療に専念した結果が・・・!
バラコンバンドも手離さず熱心に

初診ではっきりおぼえているのは、
先生がズバリと私の症状を断言したことです。

整形外科では、ただでさえ脚の激痛をこらえて
病院に行くまでに苦しい思いをしているのに、

何日もかけていろいろ調べて、
ようやく「腰痛椎間板ヘルニア」と診断したと思ったら、

以前と変わらずリハビリ療法と薬だけで様子を
見ましょうということだった。

しかし自然良能会では、

「骨盤が右上に傾いていて、右足が左足より短く、
背骨は完全に偏平して非常に緊張しています。

頚椎も歪んでいて、これでは睡眠も満足にできないでしょう。

そして、痛みがひどい左脚は、筋肉の硬直がひどい状態です。
これはさぞかし痛かったでしょう・・・」

と的確にしかも自信をもって断言したのです。

そして他にも驚いたのは、
「自律神経失調症の症状が見られます」と述べたことです。

自律神経失調症については、以前自分で調べていまして、
おおよその症状はわかっていましたが、

先生にそれを指摘された時に、
私の脳裏にこの病気の症状のひとつが浮かびました。

それは、倦怠感です。

ちょうど腰痛が始まったころだと記憶しているあたりから、
なんだか慢性的な倦怠感に襲われるようになりました。

腰痛がなかった大学1年生の時は、
そんなことはまったくありませんでした。

それを自分では怠けているだけだと卑下しつづけていたのですが、

当時を思い返してみても、どうやらそれだけではなかった様子で、
あのころから既に兆候は出ていたんだと思いました。

それに気付いたら、なんだか少し気が楽になったのです。

そして、症状を指摘された時に、
「今の病院では腰痛の本当の理由がわからないから、
治療ができない」という言葉を思い出し、

今まで通った医者のように曖昧な回答ではなく、
これほどまでに原因をすぐに判断した先生は
信じられると思い、治療を受けようと思いました。

そこでようやく病気と真剣に向き合う決意をしました。
それから、私の本当の闘病が始まりました。

今までは、薬を飲んで寝てばかりでなにもできませんでしたが、

先生の治療だけでなく、バラコンバンドを使って
自分自身でも回復への努力ができることを知ったので、

先生はかならず治してくれると信じ痛みをこらえながら、
一日中バンドを巻いたり外したりを繰り返していました。

しかし、初めのころは身体を曲げることも
満足にできず、腕以外自分でバンドを巻くことは
できなかったので、両親にバンドを巻いてもらいました。

闘病中、私の家族はみな私に対して文句一つ言わず、
かならず治ると励ましてくれて、精一杯協力を惜しまないでくれました。

それは本当にありかたく、家庭崩壊が騒がれている現代において、
自分はなんて良い家族に恵まれたのだろうと、つくづく思いました。

それでも当初の1ケ月はなかなか痛みが治まらず、
苛立ったり不安になる時も正直ありました。

しかし、私はこれしかないと自分で思ったことを
今まで曲げたことがなかったので、先生、そして自分を信じ、
バンドを手放すことはありませんでした。

そしてしばらくすると、左脚の痛みが強くなってきました。好転反応です。

「神経が鈍化しているから、まず神経が正常に
ならなければ回復には向かいませんが、

正常になった時には本来の痛みを感じるので、
今よりも痛くなりますよ」というのは、

前々から先生に言われていましたし、それは自分でも覚悟していたのですが、
これが痛みのピークの時じゃないにしてもなかなかの激痛でした。

正直辛くて挫けそうになったのは覚えています。

しかし、そこでも先生や家族の励ましを受け、
絶対に治るんだと自分にも言い続けて治療に励みました。

そのころは時期が夏だということで気温も高かったし、
まだ痛みが小さかったのも良かったと思います。

これが真冬の時期だったら、もっと辛かったのではないでしょうか。

そして治療を受けて2ケ月弱経った7月、朝起きると、
驚くほど左脚の痛みが小さくなっていたのです。

昨日まであれだけ痛かったのにと思いましたが、
とにかくうれしくてたまらなくて家の中を歩き回りました。

ただ痛みが緩和したと言っても、やはり足を曲げると痛いので、
トイレは相変わらず苦労しましたが、
ピーク時のの激痛を考えると、その差は歴然でした。

「これをつづければ確実に治るんだ」と治療への期待を実感しました。

そして8月はじめ、初めて独りで治療所へ向かいました。
まだ足腰が痛むので車の運転はできず電車とバスを利用しましたが、

しっかりとバンドを腰と脚に締めていったので、
思っていたより痛みは小さく、自信が持てました。

ひさしぶりに外から眺める澄み切った青空と、
燦々と降り注ぐ真夏の太陽が本当に眩しくて、

周囲の人目もはばからず、道を歩きながら涙を流しました。

一時は、一生歩けなくなるのではないかと
毎日不安で不安でたまらなくて、将来を悲観し絶望しましたが、
またこうして自分の脚で歩けるようになった・・・。

それは、自分にとって、本当に大きなことでした。