(2) 椎間板ヘルニアの宣告にがっくり

■ 凄い効果にびっくり

それから半月、いうところの理学療法をつづけましたが、
良くなる兆しはいっこうに見えませんでした。

それどころか、痛みは増すばかりで、夜も熟睡できず、
それでいて朝は腰の痛みで四時ごろには眼が醒めてしまい、
寝不足の日がつづきました。

子どもを車で学校へ送っていく時も、
お尻が痛くて、腰を浮かしながら運転していたもので、
また椅子に座ってパソコンに向かっても、20分ぐらいすると、
悲鳴を上げるくらいの激しい痛みに見舞われたのです。

(これでは仕事もできない……)
なんとかしなくては、と思いましたが、
これはという方法が思い浮かんではきませんでした。

だけど、このままでは仕事ばかりか家のことや、
子どもの世話もできなくなってしまう。

なんとかしなくては……。焦りました。

ふと、本屋に行けば解決の糸口になるなにかが
見つかるかもしれない。

そう思って行き、腰痛関運の本が並ぶ書棚を見ていると、
五味雅吉著の、「椎間板ヘルニアは手術なしで治る」
という書名が眼に飛び込んできたのです。

実にインパクトのある・・・ことに私の思いをそのまま
述べているようなタイトルでした。

私は飛びつきました。
さっそく家に帰って一気に読みました。

この方法ならば・・・!?

私のつらい症状を解決してくれるかもしれないと考えました。
そして、「バラコン運動の実践図解」が紹介されていましたので、
説明のままに試みてみました。

生ゴム製のバラコンバンドはありませんから、
代用に女性用のストキングを腰に巻いて、
図解のままに腰を回してやってみたのです。
三日間つづけました。

たしかに、本で述べられている通りの効果がありました。
(これならば・・・)

希望が確信に変わりました。
そこで、私は本の末尾に載っている「
本書の方法を指導する先生方一覧」を見て、
家から一番近い支部を訪ねることにしたのです。

だが、ひとりで行くのは不安だったので、
主人に付いてきてもらいました。

治療所の前まで来たとき、入り□の扉が聞いていたので、
主人と二人でそっと中をのぞき込み、
「入りにくそうだな」「帰ろうか」と、
二人で顔を見合わせて数秒間考えました。

でも、せっかくここまで来だのだから、
入るわ・・・と言うと主人も、
「良くなるためにはいろんなこと試してみないと」
そう言ってくれました。

予約もせずいきなり訪ねたのでしたが、
先生をはじめスタッフの方々が温かく迎えてくださり、
懇切に症状を聞き、どう対処していくかを具体的に
指導してくださいました。

そして・・・骨盤調整の治療。
これまでに受けたことのない療法でしたが、
ここまできたら俎鯉。

先生のなすがままに身体の位置をうつ伏せから横臥になり、
仰向けになって、起きて正座といろいろ変えたのでした。

調整治療が終わった時の感じは、
治療前とはまるで違っていました。

先生に言われるままに立って歩いてみると、どうでしょう、
あれだけ腰から足にかけて突っ張っていた感じがかなり取れ、
身体が実に軽くなっていて、お尻の痛みも消えていました。

よっしや・・・!

内心そう叫んでいました。やった!
気分は一気にハイになりました。
主人もびっくりでした。

その変化はいっときのことではなく、
治療所から家に帰るときも普通に歩けたのです。

「すごい」「本当にに凄い」二人してそう言い合ったものでした。
その夜はぐっすり眠りました。

そして朝早く、あの痛さで眼を醒ますこともありませんでした。
それですっかり骨盤調整ののファンになってしまい、
治療に通うようになりました。

調整治療をすれば、それだけなんらかの良き変化がある。
治療に通うのが楽しみになりました。

先生は、治療と平行して「(バラコンバンドを使っての)
腰回し運動は毎日、朝晩かならず励行してください」
と指導されました。
私はその言葉を守り、しっかり腰回しをつづけました。

「患者さん自身が努力すれば、それだけ治りは早くなります」

という先生の言葉は本当でした。
日に日に腰の状態は良くなっていき、
治療に通うのも7日から10日に1度というペースになりましたが、
「この治療法は抜群の効果があるだけに、
効果はすぐにあらわれます。

だからといって、少しよくなったからと、
それで治療をやめてしまうとまた症状が出て、
痛くてつらい思いをするのは患者さん自信なのです。

それはあぶはち取らずなのですが、
実はそうした例が結構多いのです。

完全に治すには、ある程度の効果が見えてからの
ひと踏ん張りが必要なのですよ」という先生の言葉に、
治療を投げ出さずに支部通いをつづけています。

それにしても整形外科で言われた、
「椎間板ヘルニアだから、すぐにも手術しなくてはなりません」
との言葉はなんだったのでしょうか?

もしあの時、医者のいうことを鵜呑みにして
手術に踏み切っていたらどうなっていたのだろう?

そう思うと、ぞっとします。

病院で間いたおばあさんのひと言、
それに五味先生が著書で述べられている、

「椎間板ヘルニアは手術しても絶対に治らない」

との力強い言葉があればこそ、治るという確実な手応えをおぼえつつ、
私は「完治」のフィニッシュに向けて、今日も治療と腰回し運動です。

月刊自然良能より