(2) 痛み止めも効かず、眠れない日々 椎間板ヘルニア

翌日、大袈裟なようですが、
私は最後の望みを託して行きました。

いま思うと恥ずかしくなるほど、人目も気にせず、
髪も振り乱していたのではないだろうかと思いますが、
ただただ楽にしてほしい、という気持ちでいっぱいでした。

そこにいる人々の顔もなにも覚えていないくらいです。
先生にこれまでのことと現状について質問され、
必死な思いでお答えしました。

それからは、バラコンバンドというゴムの巻き方、
足と腰の運動を教えていただき、恐る恐る動かしてみました。

その後は全身の状態をひとつひとつ確かめながら
丹念に時間をかけて治療してくださいました。

なにより、どこに行っても触れようとしなかった患部に、
加減しながらも直接治療行為をやってくださるのが
有難く思われました。

すぐに楽にはならなくても、
当分ここに通ってみようという思いを強くしました。

少しずつ、少しずつ、しかし確実に
腰痛が薄らいでいくのがわかりました。

トイレに行くことが初日からさほど苦痛でなくなり、
10日あまり顔も洗わず、髪の手入れも怠っていたのが、
2回、3回と通ううちにひとつずつできるようになりました。

次第に自信も出てきて、台所にも短時間ながら
立ってみたり、その辺を庁付けてみたりと、
だれの目にも明らかに良くなっていくのがはっきりとわかりました。

外見にも表れるようで、
「あんなに辛そうだったのに、もうそんなによくなって・・・?」
と会うう人ごとに声をかけられました。

それでも痛みは少し和らいだかと思うと、
またぶり返したりで、睡眠もなかなか充分にとれず、
まだまだ時間がかかるなあ・・・と覚悟してまし

1ヶ月月完全に休んでいた仕事も、治療所に来て、
3週間もしないころに少し始めました。

家事はほぼ元通りにやり、買物や外出も
その日の様子に合わせてですが普通にやっています。

苦しめられていた不眠さえ、4時間は確保できるようになり、
どうかすると6時間も続いたりして、
これは腰痛が始まる以前よりよい状態です。

歩くことも立っていることも苦痛だったのが、
次第に痛みを覚えることが頻繁でなくなり、
時には全く感じなくなっていることに気がつきました。

もうなにも心配することはなく、
あとはきるだけ通い、家ではバラコンバンドを使った
体操を欠かさずやることに尽きると思います。

思えば治療も体操も人一倍嫌っていたこれまでの
私ですが、治療所へ行くのが少しも苦痛ではなく、
むしろ楽しんでさえいることに驚いています。

毎日、毎週自分でも気付くなんらかの
「うれしい変化」がありました。

先生も助手の方々も、いつもその「変化」に
いち早く気づいてくださり、励ましてくださいました。

骨盤のズレを中心として矯正・治療していただいていることで、
同時に身体のほかの部分も矯正され、
改善されていくこととうかがっています。

腰痛になったおかげで前よりも健康になったと言えるように、
これからも治療に励みたいと思ってます。