(2) 椎間板ヘルニアは手術しなくても治る

しかし現代医学では、飛び出ているヘルニアを削り取れば

痛みは解消すると言って、猛烈な痛みを訴える患者さんに、
「手術しなければいけません」と勧める。

奇妙な事実は、患者さんには安直に手術を勧めるくせに、
医師や病院関係者らは、
ヘルニアの手術に「信憑性」をおいていないということである。

医師らが自説を正しいと思って処置しているのならばまだしも、
手術に確信はもてず、危険性も知っているので、
そうした人たちは椎間板ヘルニアになって切らなくてはと宣告されると、
ほとんどが手術に踏み切らず、
自然良能会や他の治療法を頼ってくるのだ。

そのことは五味会長も著書の中で何度も述べていて、
それでいて患者さんには(それしか方法がないからか)
一様に手術を勧めるという無責任体質を指弾してきた。

たしかにおかしな話である。
さらに悪いことは、安直にヘルニアを削り取り、
再発したらまた削り取っていればどうなるか?
ということを考えなければならない。

改めていうまでもなく、人体の支柱である脊椎は
24個の椎骨から成り立っているもので、
それぞれの椎骨と椎骨の間にあって両骨をつなぎ、
クッンョンの役割を果たしているのが椎間板である。

これによって人体の屈伸、ねじりがスムーズに行われているのだ。
その椎間板は、ゼリー状の髄核のまわりを
繊維輪の層がつつんでいるもので、
通常はしっかりと保護されているものだが、
繊維輪の変性や外側からの圧力などで亀裂ができ、
繊維輪から髄核が押し出されて、
椎間板からはみ出して骨化することがある。

その状態をヘルニアという。

現代医学は、突起したヘルエアが神経にふれて痛みを誘発する
(実際は神経は弾力性があり、ヘルニアを巧みによけるものだから、
痛みの主因ではないのだが)と考え、
その突起した部分を切り取れば痛みが解消するとしている。

しかし、ヘルニアを削り収ればそれだけ椎間板が薄くなる。
そして、再発する(根本の原因を治していないのだから当然だ)と、
別の椎間板のヘルニアをまた切ることになる。

そうしたことを繰り返すと、クッションの役割をしている椎間板が
薄っぺらになって、屈伸、ねじりなどの動きがスムーズにできなくなり、
動きが人形ぶりのようにギクシャクしたものになってしまう。

まさにそうした間違った治療に頼ってきた人たった。
4年前に椎間板ヘルニア(腰椎4、5番の間)の手術を受けたのだったが、
また再発したのだった(腰椎5番と仙骨の間)。

医師からはやはり手術を勧められたが、二度の手術は恐く、
だからといって整形外科での手当ではなんの効果もないので、
整骨院にもかかってみたのだが、
そこでもこれといった変化はなかった。

そうしながら症状は次第に悪化していき、
東京総本部に来た一週間前くらいから、
あまりの痛さで起きていられなくなったのだった。

「骨盤調整という治療を受けてみたらどうなの」
と勧めたのは、お母さんである。

まだ若い青春まっさかりの20歳のときに、
椎間板ヘルニアの手術を受け、その後結婚して、子どもが生まれ、
子育てで大変なときに再発し、症状は悪くなる一方であった。

お母さんの心配も大変なものだった。
我がことのように悩み、なにかいい方法はないだろうかと
あれこれ腰痛関係の本も漁ってみたのだった。

そんな中に五味会長の著書があったという。
拾い読みすると、「椎間板ヘルニアはかならず治る」と書いてあった。

その本を買って帰り、読むと、
娘がかかっていた現代医学の椎間板ヘルニアの対処法を、
はっきりと間遅っていると言い切り、なぜそうなのかと(前記のような)
椎間板ヘルニアのいたのである。

だが、ひどい症状に悩み、つらい治療を受けても
いっこうに良くなる気配のない患者さんは、
総じて心が傷ついていて、違う治療法を勧められても
素直にその気になれないもの。

その例にもれなかった。
「煽されたと思って、試してみなさいよ」
というお母さんの説得に、半信半疑で治療所にきたのだった。

月刊 自然良能より