(2) 椎間板ヘルニアの常識を考察する

椎間板ヘルニアであった。
当初は腰の痛みから始まった。

男性は仕事があると、どうしても仕事優先にして、
少々の痛みは我慢してしまう。
とくに日本のビジネスマンはその傾向が強いようだ。

最近の若い人はどうか、いまひとつ掴みにくいが、
Sさんのような50代の人は、
経済発展の右肩上がりの時代を体験していて、
また年齢からくる仕事の責任も重なり、

健康の自己管理には希薄になりがちで、
ことに腰の痛みなどには、「たかが腰痛なんて・・・!?」
といって放置しがちなものである。

Sさんもそうだった。
しくしくした痛みをこらえながら仕事をつづけているうちに、
左足にしびれが出てきたのである。
それでも我慢強く仕事をつづけた。

そんなあるとき、会社の女子社員から、
「なんだか歩き方がヘンですよ」
そう指摘されたのだった。
改めて鏡で見てびっくりした。

(身体が歪んでいる・・・!)

自分ではまっすぐ立っているつもりなのだが、
片方の肩が落ちて、妙にいびつな立ち姿だった。

あわてて病院へいくと、診察した整形外科医が
宣告したのは「椎間板ヘルニア」という病名だった。

それから定期的に通院するようになったが、
症状は良くなるどころか悪くなる一方で、
腰の痛み、足のしびれもよりひどくなった。

歩き方も・・・
五味会長が定例の講習会で、骨盤を狂わせ
脊椎がS掌状に歪むとこうなるといって、
両手を前にもってきていきませ、
片側の肩を下げて、お尻を逆側後方に突き出す。

身体が歪んだ姿を実演するが、
まさにそうした姿態になり、
歩き方もあきらかに破行になっていた。

医者は「これは手術をしなくては駄目だね」と宣告した。

普段無頓着な人ほど、
手術といわれると過度に反応するものかもしれない。

Sさんもそうで、手術といわれた瞬間、
愕然とし、つづいて恐怖した。

本能的に、手術はしたくない・・・?と思った。

そこで友人に相談したところ、
自然良能会東京総本部を紹介された。

そういって治療所にSさんが来だのは、
今年の2月の初めだった。

初診を診た五昧会長は、
「こんなに足の長さが違うでしょう」と、
両足の蹟をそろえて曲げ、Sさんに見せた。

これは仙腸関節がズレている証拠ですといい、
「ハーッ」と気合をかけて調整して、
また見せると、違っていた足の長さがぴたっと合わさっていたのだ。

「身体が軽くなったようだ」

Sさんは、この治療なら治るかも知れないと思い、
病院はやめて、良能会の治療に専念することにした。

仕事の合間を縫ってだから、週に一度かよくて二度ほどだったが、
10回ほど通うと、腰や足の痛み、シビレも取れ、
身体もまっすぐになり、歩きも楽になった。

当初は色艶がなく、黒ずんだ顔色だった。
どろんとして悪かった顔に赤みがさすようになった。

歩き方を指摘した女子社員は、
見違えるようにすっすと歩くようになったSさんに
びっくりしていたし、骨盤調整を紹介した友人は、
「だろう・・・!」といってニンマリしていた。

月刊自然良能より