(2) 椎間板ヘルニアによるお尻の痛み

Kさんだが、当人は昨年の11月に(椎間板ヘルニアを)発病したといったが、
実際はもっと以前から骨盤を狂わせていたものだが、
腰部の微々たる痛みなどの違和感はあっても
本当の症状は潜伏していて、気づかなかったのである。

そうした潜在していたものがどっと、
一気に表に出だのが11月だったわけである。

あわてたKさんは、医者のいうままに即入院したのだったが、
五味会長が本誌で繰り返し、整形外科に2ケ月も入院したものの
痛みはいっこうに消えなかった。

そこで「仕事が多忙で、いつまでもやすんでおれない」といって退院し、
それからはカイロプラクティックに通い、猛烈な痛みに見まわれると
病院でプロック注射をするということを繰り返していた。

そんなおりにたまたま五味会長の出した、
「医者が救えない腰痛はこうして治る」を読み総本部に来たのだった。

それでいて「私は西洋医学で治療をつづけようか、
東洋医学を試してみようか、いろいろ考えたのですが、
今回はこの治療を受けて見ようと患って・・・と、
最初(のスタッフの問診)にそういったのだった。

そして治療が始まったのだったが、2~3回目くらいから
あちこちに痛みが出てきたのだった。

それも半端な痛みではなかった。
Kさんは、「いったいどうなっているんですか?」
怒った口調で詰問してきた。

治療してより痛くなるなんて、おかしいではないか。
このままひどくなると、訴えるからとも言ったのだ。

だが、治療したから痛くなったのは事実だ。
言い代えれば、もともとそうした痛みはあったのだが、
当人がそれに気づかなかっただけのことである。

Kさんは自律神経失調で、神経のはたらきが鈍磨していたのだ。
それが調整治療で骨盤を正し、神経が正常にはたらくようになると、
痛みも感じるようになったのである。

スタッフはそう説明した。
Kさんは不承々々だが納得した。

だが、痛みはそれからも少しつづいた。
Kさんは「痛い、痛い」と訴え、
ときには涙ぐんだりしながらも、治療に通ってきた。

「だって、こんな痛い思いをして、
このままでやめちまうのは口惜しいから・・・」
というのだった。

治療をして、痛みが出るということは、良くなる兆しである。
それのひどいのが「反動」だ。

人によっては、そんなとき(ひどい痛みならばなおさら)
不安になり、恐れもあって疑念をいだくものだが、
間遷いなく快方に向かう兆候であるから、
そのことを充分わかるように説得するのも
治療するものの努めであるようだ。

スタッフもその点はきちんと説明した。
だが、Kさんは「そうですか」とはいったものの、
内心ではまだ疑いの思いがあったようだ。

痛みは、何回かの治療で、ぴたっと出なくなった。
と同時に、症状は確実に良くなってきた。
そして、20数回の治療で完全に治ったのであった。

月刊自然良能より