(2) 女性の腰痛 あなたの腰は大丈夫ですか

女性のなにげないこんな動作が腰痛の注意信号

そこで、最初に「こんな前ぶれが出たら要注意」という形態を紹介します。

それで腰痛の進行度合が自分で判断できるでしょう?

■ 朝、寝床から起き上がるとき、上体を起こすと腰が痛い

これは疲労がたまると腰の筋肉が萎縮し、
そのまま眠ると筋肉が動かないからますます萎縮してしまうから。

そこで朝、いきおいよく上体を起こすと、縮んだ筋肉を伸ばすことになり、
それにつれて骨ごとひっぱられ、神経が圧迫れるからです。

身体を動かしているうちに筋肉に弾力がもどり、
血液の流れも活発になると痛みは消えますが安心はできない。

まだ症状としては軽いが、このまま放置していて
より疲れがたまると、ギックリ腰に見舞われる可能性があり要注意。

■ 朝おきて顔を洗うために前かがみになると腰が痛い

朝、前かがみになって洗面しようとすると、腰が痛くてかがめない。

そこで腰を落とし気味にし、ようやく顔を洗えるという人は要注意。

早いうちに骨盤を正しておかないと、辛く大変ことになる。

■ くしゃみをすると腰に痛みが走る

くしゃみをした瞬間、腰にチクッと痛みが走る人は、
かなりの危険信号だと思わなくてはならない。

くしゃみは下腹部に力が入らないと押し出せないから、
瞬間痛みがでるということは、かなり悪い症状と思われます。

たかがくしゃみだと安易に考えないで、できるだけ早く治療が必要です。

■ 椅子に座ったとき足を組まないとつらい

いつも同じ足を組んでいる人は(例えば右足ばかりを組んでいると)
これは癖ではなく、仙腸関節がずれているでしょう。

仙腸関節が狂うと、その側に身体の体重が乗せられないから、
その足を組むようになる。痛みはなくても黄信号。

■ 背伸びをすると腰に痛みが走る

黄色から赤信号に変わる状態。
脊椎の並びに異常が発生する前兆だ。
そのままにしていると椎間板ヘルニア等になる可能性大である。

■ 極端に歩幅が短いヨチヨチ歩きになる

高齢者特有の歩き方、腰が硬直してしまって、
足を大きく踏み出せないことが原因なのだから、
骨盤を正せば楽に歩けるようになる。

■ 寝返りをうつのがつらくなってきた

寝返りをうつには背中をひねらなければならない。
脊椎が運動するこの動きで痛みがあるということは、
すでに骨盤がゆがみ、そして骨盤の上に乗っている
脊椎もS字状に曲がりはじめている。

以上のようなことに心当たりのある人は、
だいたい骨盤に問題があるとみて間違いがないでしょう。

適切な処置をすることが必要。
なによりも恐ろしいことは、
「たかが腰痛だから、そのうち自然に痛みは消えるだろう」

と安易に考えていると大変なことになる。
「たかが腰痛、されど腰痛」というわけです。

(3) 女性の骨盤は男性よりも できているのはなぜ?

人間は直立して、2本の足で歩くようになって、
直立して二足歩行するようになった人間の脊椎は
垂直に立ち、つまりは柱になった。

重くなった頭部を脊柱が支える恰好になり、
負担がその一点に集中的にかかることになる。

そんな脊柱を乗せているのが骨盤です。

骨盤はいわば土台の役をしているのであり、
それが傾げば脊柱は不安定になり、歪み、ねじれが生じ、
各部位の骨格変位を誘発するようになって、
血液、神経の流れを阻害し、筋肉、靭帯の硬縮となる。

それが腰痛その他を誘発するメカニズムです。

そうしたことから起きる症状は、腰痛、椎間板ヘルニア、
脊椎すべり症、坐骨神経痛など。

骨盤(仙腸関節)の狂いが、人体にいかに
影響しているかを理解してもらいたいです。

そんな重要な骨盤が、実は女性と男性では形が違っている。
そのことはわかっているようで、わからない人のほうが多い。

女性の骨盤は骨盤下目が広く、
骨盤腔が短い円筒形であり、タライ型。

これに対して男性の骨盤は、骨盤下目が挟い、
全体の形がバケツ型。

具体的にいえば、骨盤の下の恥骨のところの角度が、
女性の方が広くて、男性の方は挟い。

このように女性の骨盤が、男性に較べて横に広くなっているのは、

男性にはない女性特有の臓器が入っているからで、
なによりも出産という女性ならではのはたらきに合わせて、
横に広いタライ型になっているから。
その上に、下肢を結ぶ股関節が男性よりも浅い。

また腰を支える組織も、女性の方は柔軟で、
男性の方が強靭だという違いも出てくる。こうした男女の違いは、
当然腰痛の症状も異なってあらわれる。

女性の腰痛はいつまでも痛むケースが多く、生理不順や生理痛、便秘など、
女性の生理に関わるようないろいろなものがからんでくる。