■ 骨盤調整治療とバラコン運動で健康回復を
それは、真夜中の突発事でした。
両耳が「ガアー」と鳴り、
「ジャージャー、ガアーガアー」と高鳴ったのです。
びっくりして目をさましました。
頭を前後左右に振ってみましたが、
耳鳴りは、いっこうに止みません。
あまりのことに、隣りの寝床に眠っていた妻を呼び起こしました。
「オーイ大変なことが起こった・・・」
妻は「なにが?」と、半ば寝呆けたような顔でした。
それは当然のことです。
私の耳なりが妻に聞こえる間もなかったからです。
この突発事が、とどまることのない病になろうとは、
夢想だにもしない出来事でした。
しかも今日まで、六年余り、闘病をつづけることになろうとは・・・。
翌朝、隣り町の耳鼻科病院に受診をいたしました。
診断の結果は、内耳異常による障害とのことでした。
そして、しばらく通院をして治療をするように、と通告されたのです。
私は医師の指示にしたがい、通院治療をつづけることにしました。
しかし、耳鼻科へ通っても、良くなるどころか、
後頭部からも耳鳴りが発するようになり、
加えて目まいまでも生じて、歩行が困難となってきたのです。
いたしかたなく入院治療をお願いしたところ、
耳鼻科の入院病室はないとのことで、
入院治療は不可能でした。
だが私は、どうしても入院治療ができる病院へと言ったことで、
市民病院に入院することとなりました。
設備万端ととのった病院でした。
しかし、ジヤージヤー、ガアーガアーは止むこともな
併発した後頭部からの耳鳴りもつづいていたのでした。
つまり、メニエル氏病だったのです。
このために睡眠はほとんどできず、苦しい入院生活を送っていました。
そこで、当然のように睡眠薬を使用するようになりました。
それも最初は一錠だったのが、二錠にと増えていったのです。
そんなあるとき、知人より耳にしていた整体治療院のことを思い出したのです。
幸いに市内であることから、思いきってその治療を試してみようと、
電話で問い合わせたのでした。
そこが自然良能会の支部だったのです。
電話に出た先生は、私の訴えを聞くと、
「医師の許しを得られたら、いらっしゃいませんか」
と言われたのでした。
私は意を決して、耳鼻科の先生に「骨盤調整法なる治療を受けてみたいので」
お許しを願いたいと乞うたところ、
先生はこころよく「行っていいよ、どんな治療で治るかわかりませんからね」
とおっしゃってくださいました。
さっそく翌日、バス通りまで20分間、全精神力で歩き、
市内バスにて20分余かけ自然良能会へようやく辿りついたのでした。
そして、先生に初めてお会いした時に、
先生は笑いながら、
「病院の医師はあなたが入院していて他の治療院に行くことなど、
けっして許可しないと思っていましたよ。
結局、来院できないと踏んでいました」と旨われたのでした。
だいたいが病院の医師は、他方での治療をすることを好まぬものですが、
その耳鼻科の先生はご理解のある方ですね、と感心されていました。
現在の体調を思い、改めて考えますと、本当に適切な決断であったし、
病院の先生の寛大な処置には感謝しています。
そこでの診断では、骨盤が狂っていて、背骨の並列から首部までが悪いこと、
したがって両足の長さが異なっていることを指摘されました。
事実、うつ伏せになって両足を仲ばすと、
「ほら、こんなに長さが違うでしょう」と示したのでした。
振り向いて見てみると、本当に両足の長さがズレていたのでした。
自分白身では気付くことのなかった現実に、本当にびっくりしました。
そして先生は言いました。
「ですが治りますよ」とはっきりと言われたのです。
「ただし、どれだけ僕の治療の指示を実行できるか、
またあなたに課したバラコン運動を
たゆまず実践できるか否かにかかっているのです」
私が治すのではなく、あなた白身が、あなたの努力が治すのです。
それが先生の「診断結果」だったのです。
当日の治療は、足まき運動から始まり、先生の調整治療で終わりました。
以後、治療との収組みになりますが、バラコン運動の実施は、
病室は個室でないので、8階の屋上に行き、
毎日正后と夕方の2回、実施をしました。
雨の日は、屋上の入口で腰回しをしたものでした。
そうして通院を始め、3日目の施術を受けての帰路、
バス停までの足どりがおどろくほど軽いのに気づきました。
復路のバス停で下りて、病院までの20分間、
歩く足どりのさらに軽いのに「はてな?」と、とても疑問でした。
骨盤調整を受けて5日目の、耳鼻科の病室回診のおりに、
耳鼻科の医師に、「先生、メニエル氏病は目まいも止まり、治ったようです」
と告げると、医師は、「それでは検査でもしましょうか」と言い、
回診が終わって検査室に呼ばれメニエル氏病の検査をしたところ、
「本当に治っているよ」とのことでした。
このメニエル氏病も、耳鼻科にて最初の診断のおりには、
完治までには30日間はかかるでしょう、との診断だったのです。
月刊自然良能より