(1) 椎間板ヘルニアで左下半身が激痛

思いもよらぬ激痛に見舞われて

その朝も、いつもと変わりなく目ざめたのでした。
だが、なんだか感じがおかしかった。

あれ、なぜ身体が動かないのだろう・・・?

そう思った瞬間、まるで強力な電流が全身を貫通したような、
すさまじい痛みが走ったのです。

ああ・・・腰をいためてしまった!

声にならない悲鳴をあげつつ、胸の内でそう思ったのでした。
21年前の記憶です。

当時25歳であった私は、年齢も年齢だし、
格闘技もやっていたバリバリの体育会系であって、
当然体力には自信があり、
身体を悪くするといった心配はいささかもしませんでした。

かなり重いものでも腕力で、無造作に持ち上げていたものでした。
前日も、そうしてものを持ち上げた瞬間、「ギクッ」として、
そのとき腰を痛めたのであろうと思われますが・・・。

少し腰に違和感があったが、猛烈な痛みに襲われたわけではなく、
その場に倒れ込んだものでもありませんから、
さして気にも止めませんでした。

それだけに、朝、突然動けなくなったときはかなりショックだったのです。

こうした痛みは経験した人でなければわからないものですが、
とにかくちょっとでも身体を動かすと激痛が走るので、
息をつめてひたすらじっとしているしかないのです。

だからといって、じっとして動かずにいても痛みは消えません。
なんとか痛みに耐えつつ整形外科に行ったのでした。
そこで宣告されたのは、「椎間板ヘルニアです」という診断結果でした。

これまで健康体だと自負し、健康管理といったものには無関心だった私には、
初めて聞く病名であり、それを告げられたときには、
痛みのある腰部に神経を集中させながら、胸の内で思わず、
失敗した・・・!と、つぶやいていたのでした。

それにしても整形外科の治療で、
痛み止めの注射ほどいやなものはありません。

勝手といえば本当に手前勝手なのですが、激しい痛みのときには
「早く痛みを止めてばしい」と思うのですが、
注射器が腰に入ってくる感覚は、何度経験しても胸が悪くなるものでした。

そんな整形外科への(最初の)通院は、約1ヶ月で痛みもおさまり、
普通の生活にもどることができました。

病院の先生からは「一度出たヘルニアはひっこまないから、
腹筋と背筋を鍛えて、筋肉で補強するように」
とアドバイスされたのでした。

だが、突出した椎間板はひっこまないという考えは間違っていたのです。
骨盤調整を受ければ確実にひっこむのです。
そのことは後に知ったことで、その時は先生のいうままに、
もう二度と寝込まないぞ・・・と心に誓いました。

ウェイト・トレーニング中心の運動に切り替えて、
身体を鍛えることに励んだのでした。
でも、疲れが溜まると腰が妙にだるくなって、
「なんだかすっきりしないな・・・?」と思ったものでした。

それでも、ウェイト・トレーニングと若さ?のおかげで、
それ以後は病院にかからずに過ごしていたのです。

ところが「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、
10年後にまた激しい痛みに見舞われたのでした。

月刊自然良能より