(1) ムチウチ症の対応と骨盤調整の効果を考える

交通事故の症状

■ 治らない治療に苦しんで

現在48歳になるMさんは、自然良能会に初めてきたのは、
2年近く前の7月の半ばだった。

Mさんが訴えた症状は「ムチウチ症」。
交通事故によるものであった。

背が高く、肉付きの良い体型であった。

だが、初めて治療室に入ってきた時は、
首を固定するためのコルセットを巻いていた。

身体の右半身をかばうような歩き方で、
そろそろと入ってきた。
いかにもつらそうな格好だった。

聞けば、首から右側の背中、腕、
そして腰にかけて痛みとシビレがあるという。

幹線道路を走行中、とある交差点の手前で信号が赤だったので、
停車するためにスピードを落とした瞬間、
後続車がぶつかってきたのだった。

ドオーン、と追突された瞬間、ガクンと頭部がのけ反ったのである。
(やられた・・・)と内心叫んだ。

首筋に一瞬、激痛が走ったが、車を降りて、
追突した男・・・会社名の入った車を運転していた。

30代半ばの営業マンであった。
と話し出した時には、首筋をねじったような疼痛を伴う違和感と、
身体全体にだるい感じがあったが、さして悪い症状ではないと思ったという。

その運転者はしきりに「申し訳ない」と謝罪し、
警察に事故の報告をした。

ともあれ病院に行って検査してくださいということで、
もよりの病院へ行きレントゲンを撮ったりとあれこれ検査をした。

その結果、ムチウチのおそれはあるが、

他はさしたることもないだろうという診断だった。

Mさんは大事な会議があったので、その足で会社にでたのであった。

それから数日してから、違和感のあった首筋が激しく痛みだし、
身体の右側が随所に痛み、シビレが出てきたのである。

Mさんはあわてて病院へ行き、
整形外科にかかることになった。

医者は「ムチウチ症」との診断を下したが、
その他の痛み、シビレについては具体的な説明はしなかった。

ともあれ首輪のようなコルセットを付けられ、
首の牽引などの手当を受けたが、改善する兆しはまるでなかった。

いつも繰り返しているように、現代医学は「対症療法」であるから、

患部が見えるもの・・・
傷口とか炎症、腫瘍などには明確に対処できるが、
「見えない」症状である、骨格や筋肉などの
歪みや癒着などには手を焼くようだ。

ましてや腰痛や神経痛関連の症状の根本原因である骨盤、
すなわち仙腸関節についてはいまだ無視しているのだから、
対応のすべがない。