■ 椎間板ヘルニアの苦しみを克服して
最初はギックリ腰でした。
以来、毎年冬場になると、かならず一度はギックリ腰になっていました。
仕事が運送業というだけに、しかたないことかと考えていたのでした。
だが、若いうちは治りも早かったギックリ腰が、次第にその期間が長くなり、
近々では一週間から十日は腰が伸びない状態がつづき、
ついには椎間板ヘルニアになってしまったのでした。
三月末のことです。
それからは、いろんな治療法を試みましたが、良くならないのが実情でした。
たしかに治療を受けた当座はそれなりに楽にはなりましたが、
すぐに痛みがぶりかえす、そんなことの繰り返しでした。
私が自然良能会の五味会長の著書、「椎間板ヘルニアは手術なしで治る」
そこに書かれていたことは、これまでに見聞きしたことのない内容であり、
なによりも手術をせず、薬も服用せずにヘルニアが治る方法が、
わかりやすく具体的に記されていて、
私には(この治療法しかない・・・)と思い、
末尾に載ていた治療所で家から近い支部のところに、
さっそく電話を入れて予約をしたのです。
初めて骨盤調整の治療を受けたのは、十月二十六日のことでした。
調整治療を受けてびっくりしました。
身体が信じられないくらい軽くなり、本当に楽になったのです。
これまで感じたことのない明確な変化でした。
どうにもならなかった痛みが、
この治療で(治るのでは)と希望をもったのでした。
当時、仕事の苛酷さもあって、私の身体は疲れきっていました。
先生もそのことを指摘され、つづけて治療を受けるように勧められたのです。
私は会社に長期休暇の届けを出して、
それからニケ月あまり、ほとんど毎日通いました。
その間何度か、くしゃみや咳をしたり、寝返りなんかで
腰を痛めたこともありましたが、
確実に「治る」方向にむかっていることは身体で実感していましたから、
骨盤調整を信じて治療に通い、
またバラコンバンドを使った腰回し運動も欠かさずつづけたのでした。
ただ一本のなんのへんてつもない生ゴムのチューブ状のバンドですが、
それを腰に巻いてフラフープを回すように腰を回転させる。
そんな腰回し運動の効果には驚きました。
言葉だけでは普通の人には理解しがたいかもしれませんが、
痛い、つらい症状の人には、その運動をした時の身体の
軽さ、楽さ、そして痛みが消えるよろこびはなににも代え難いものでありました。
本当に不思議なバンドです。
新年を迎えるころにはほとんど回復し、日常生活が普通に送れるようになりました。
そして一月後半から会社に復帰することができたのです。
はじめのうちは事務的な仕事からスタートさせてもらい、
二月の半ばごろからトラックに乗り、配送もできるようになりました。
ところが、好事魔多しといいますか、三月十日と十四日、
二回ギックリ腰に見舞われたのです。
また治療を受ける毎日になったのでした。
「本当に治すには、治ったと思った時からの念押しが大切なのですよ」
という先生のやわらかい口調ながら、やんわりと注意を促す言葉を、
改めてかみしめたものです。
つまり仏作って魂を入れなければ、
もとの黙阿弥になってしまうということでしょう。
腰には冷えることが一番大敵のようで、
三月のギッツクリ腰の再発は寒さのぶりかえしのころだったのでしょうが、
仙腸関節の歪みを正して治ったようでいても、
狂い癖のついた仙腸関節はちょっとした衝撃や冷え等で、また狂うものです。
それを完全に治すには、治ったと思う状態からの念押しの治療で、
その関節がズレないようにすることが肝心のようです。
私はそのことを、痛みの再発で知りました。
ただ、以前と違うのは、回復が格段に早いということです。
何回かの治療ですぐに通常の仕事ができるようになりました。
この治療法に出合わなければ、今ごろは寝たままで
なにもできない状態に陥っていたのではないでしょうか。
そのことを思うとぞっとします。
まして手術なんて・・・。
私は、自分の健康を保証してくれる骨盤調整とバラコン運動とは、
一生の付き合いになると思っています。
私の娘をごく普通に抱き上げられるように励むつもりです。
甘えてまつわりついてくる娘に、情けない顔をして、
「パパ、腰が痛い」ということのないように・・・。