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③ 2度も椎間板ヘルニアの手術をして

骨盤に真理がある

「なんでも椎間板」といわれるほど、
私の治療所には椎間板ヘルニアで悩み、苦しむ患者さんが多く来ます。

それは私のところに限ったことではなく、
自然良能会の各支部に共通していえることでしょう。

病院の整形外科で、最終的には手術をしなくてはならないと宣言され、
それがいやで骨盤調整を頼ってくる人が一般的ですが、
なかには手術をして、それも一度ならず二度も三度も受けて、
それから来る人も間々あるのです。

五味会長は常々「現代医学では椎間板ヘルニアは治らない」
と言っていますように、結局医病院の現在の治療法では
ヘルニアは解決できないということにほかならないのです。

ヘルニアの手術を二度も受けていたのです。

それは一度手術してもしばらくは楽になったが、
また症状がひどくなり、再度手術をと言われて
ヘルニアの摘出手術を受けたものの、結果は身動きもできず、
激痛で夜も眠れない状態がつづいたのでした。

治療経過を見ると・・・。

MRI検査で、
腰椎3~4間、4~5間の椎間板ヘルニアと診断され、
第5腰椎の輔突起部を切断して、
中のヘルニアを切り取る手術を受ける。

七年後、MRI検査をしたところ、前回と同じ状態になっており、
再度手術とのことで、レーザー光線で
ヘルニア部を焼き切る二回目の手術を受けた。

その翌年、激しい痛みに見舞われ横にもなれず、
身動きできない状態になって、
お母さんに付き添われて来院されました。
以上が、私の治療所に来るまでの経緯だったのです。

治療には寝返りが必要ですが、初診の時は寝返りどころか、
ちょっと触れても痛みで悲鳴を上げる状態でした。

当然きびしい刺激を加えることはできません。
だから初めは(冷たかったようですが)なんの手もかさず、
症状把握のためにじっと観察して、患部からできるだけ離れた
足趾の部分から徐々に刺激を加えて、
まずは血行促進をうながすようにしたのでした。

そして、骨盤は両側から静かに圧迫していく方法を採りました。
まずは腰椎部の緊張を緩めるために、
骨盤を徐々に挙上していくことも肝要であるといい、
日常の生活習慣でもそれに努めるように指導したのでした。

患者さんが、痛いからといって臆病になり、
腰がひけてなにもしないのはいけないと説明しました。

現代医学(整形外科)では、腰痛、椎間板ヘルニアで
痛みを訴える患者さんには、まず「安静に」と言い、
ことに後屈することは危険極まりないことと禁止される行為なのです。
だが私は、あえて後屈することに挑んでいます。

腰背部の硬縮を緩めるためには、ニュートレの第三法則。
作用・反作用の法則を使って、
牽引ではなく背桂の後屈運動を取り入れたのです。

それでも当初は安全のために、仰向けで、
腰椎ではなく骨盤に手のひらを重ねて入れることから始めます。

それから座布団を入れ、座布団を二つ折りにし二枚重ねにして、
次に低い台座から徐々に高い台座へと移行しつつ、
骨盤を徐々に挙上させていく作戦でした。
最終的にはブリッジ姿勢のできることを目指したのです。

スポーツ愛好家で、いうところの体育会系ですから、
そうした運動を並外れた回数こなしたのでした。

それと同時に身体を反らせる運動を熱心につづけられました。
症状はまだ完治したわけではなく、途中経過ですが、
確実に「治る」方向にむけての足跡を
一歩々々踏みしめているというところです。

この治療に携わる自然良能会の先生方が一様にもっている思いは、
骨盤調整で「治る」という良き結果を出すには、
私たちの努力は当然のことですが、
患者さん自身の一所懸命さも大きな要因であるということです。

月刊自然良能より