椎間板ヘルニアの症例で高齢者の治療

実際は医学の発達で平均寿命が延びて
高齢化した今日の現状からすれば、
60何歳かで死亡したと聞くと若死にしたように思える。

ただUさんを初めて見た印象は、その時63歳であったが、
実際の年齢よりも上に思えた。

無理もない。腰の痛みが激しいのだろう、
腰をかばうように、いうところのへっぴり腰になり、
小幅なすり足で、そろそろと歩いている。

苦虫を噛みつぶしたような表情をし、顔色は悪く、色艶もない。

「椎間板ヘルニアによる腰痛です」といった。

腰椎の2番3番のズレによるものであって、
シビレもともなうと説明。

ということは、整形外科にかかったものだ。
医者の診断は、精巧な検査機器を駆使し、
その結果で病名を付けるもの。

こと腰痛、神経痛に関わる症状に関しては
いまひとつあいまいであり、核心にふれる説明がされていない。

はっきりした原因説明もなければ、具体的な治療法の示唆もない。

我々自然良能会が主張している、
根本原因である骨盤-正しくいえば
骨盤の中の1対の仙腸関節の存在を無視しているから、
当然といえば当然のことである。

しかも高齢の患者さんで、
むずかしい症状でひどい状態の人になると、
原因が不明だとかなんとかといい、治療らしい治療をしない。

その理由として「老化現象です」という言葉である。

もともと治療をしても治らないのだから、
なにもせず放っておかれても同じではないか、
といってしまえばそれまでだが、

治療するもののありよう、
姿勢としてはあまりにも後向きではないだろうか?

我々が問いたいのは、歩くこともできず、
身体にちょっとふれても悲鳴を上げる、
そんなひどい激痛の患者さんにはどう対処するのか?
ということである。

そうした人は、体操なんてとてもできる状態ではない。
本当の治療というのは、こうした患者さんにいかに対処し、
良くするか、ではないだろうか。

自然良能会では日々、そんな難症患者を治している。
どのような症状の患者さんでも、確実に治す・・・

それが治療だ。

その理念は骨盤調整の創始者である
五味雅吉先生から現会長の五味勝先生と代々引き継がれている
「当然の考え」であり、そこに自然良能会の真骨頂がある。
骨盤調整はそれを可能にする素晴らしい治療法だ。

Uさんが、整形外科にかかっていたが、
いまひとつ埓があかず、骨盤調整を頼ってきたのもそうしたわけであろう。

Uさんは、病院にかかってもいっこうに良くなる気配がなく、
「このままではどうなるのだろうか・・・?」

と途方にくれていたある時、
「腰痛 間違いだらけの治療法」を見つけたという。

まさにいま述べてような
「いかに間違った治療法が氾濫しているか」ということが
理路整然と語られていて、それで自然良能会に問い合わせ、
治療に訪れたのであった。

実際、ヘルニアだといってきた患者さんの
ヘルニアの部分を指で押さえても、びっくりするような痛みではない。

つまり、ヘルニアはあるが、それから発する痛みは
従犯であって主犯である本当の痛みを誘発する根本原因は

骨盤(仙腸関節)の歪みである。
というのが自然良能会の主張である。

そうした歪みからくる血液循環の不全、神経流通の阻害、
そして筋肉、靭帯の硬縮か痛みを生むもので、
だから骨盤を正せば、椎間板ヘルニアは治るのである。

それを整形外科では、痛みがひどくなると、
すぐにヘルニアを除去する手術を勧める。

切らずに治すばかりか、
突出していたヘルニアももとの位置にもどるのだ。

施術そのものに要する時間は、14~15分といったところ。
自然良能会では、こうした施術は
どのような状態の患者さんにも適確に行う。

産まれたばかりの赤ちゃんから、
それこそ80才~90才になる高齢者の人までもかならず施す。

「老化現象だから」と手をこまねくことはしない。
だからといって、80代の方に、20代の元気さをもどすことは無理だ。

しかし、確実に良くし、動き、歩きも
見違えるようにしっかりしてくる。
それだけでも大変な違いだ。

「まだ自分で動いて、用がたせる」
その思いは「いまだ元気だ」との確信になる。
そうした精神面のケアも大きいのである。

ましてUさんはまだ60代。
全ての治療が終わって「どうですか?」と声をかけると、ニコニコして

「いやァ、びっくりしました、身体がウソみたいに軽くて、楽になりましたよ」

「でしょう、顔色も見違えるようによくなりましたよ。
きちっと治せばまだまだ元気に働けます」

それから熱心に通ってきて、ほぼ3ヵ月で完治した。