⑤ 交通事故3度全身の後遺症が

休職の認められていた7月末まではとにかく
1日2回の治療を続けました。

まだ1時間とは字を続けて書くことができませんでしたので、
内心復帰への不安はありましたが、これくらいの頭痛なら我慢して
行かなくては仕方ないじやないかとも思ったりして、
結局、2学期から本格的に復帰する決意をしたのです。

8月中には治療所に通うことを許してもらいながら、
たまに学校にも顔を出したりしていました。

気持ちを入れ換え、腹を据えて治療にかかることにし、
1日2回の治療を再開しました。
このころになると、1ヵ月単位でいろんな症状が出ては消えていきました。

12月末には、長かった背中の圧痛がやっととれ、
それを待っていたかのように、首から頭にかけてスツとつきものが
落ちたように楽になりました。

1時間くらい字を書いても反動が出なくなり、
4月からの復帰にすこし自信がつきました。

この間の10月から11月には、義父が、ケガをして入院。
付き添いさんを頼んで治療は受け続け、
土、日は病人に付き添いながら一ヵ月余りを乗り越えさせてもらいました。

一所懸命働き、生きてきた人間の最後にしては
余りにもむごく、かなしい姿でした。

自然に生へつなげる治療と、無理につなげる治療の明暗を、
義父母と自分との間に見たような気がします。

遅すぎたともいえる先生との出合いでしたが、
今こうして体の中から洗い直しをしてもらい、 
ここまで良くしてもらったことに対しては、ただ感謝あるのみです。

ちょっと楽になると、心がはやり、勇み足になって度を越しては
失敗するということを何回か繰り返し、
あまり優秀な患者ではありませんでした。

オープンな治療の中で、他の人への注意も自分のこととして受け止め、
「中途半端ならお断りします」という言葉の厳しさに、
先生の治療への姿勢をみて思わず背筋をのばして問いだものです。

足腰3年、首8年だそうですから、根が深く、芯もまだまだ固い私の体は、
卒業にはまだ程遠いのですが、4月から職場に復帰し、先生の手を離れていきます。

そのときから本当の勝負が始まるのだと、
今から自分に言い聞かせています。

こうして引き出していただいた自然良能の力を
無駄にしないように、自然の中、人の中で
「生かされている」ことを忘れずに、
しっかりと「生きていく」努力をしていきたいと思います。

数多くの失敗も、大切な勉強だったと思います。
自然良能に巡り合えたことで、
病気への認識も改まり「痛みをありがたく受け止める」
気持ちを持つことの意義もわかってきました。

子供たちまで、安易な考えで薬漬けにしてきたことへの償いは、
治療体験を家庭で生かすことで果たそうと、
折りをみては治療の真似事をしてやっていきます。

先生が言われるように
「健康な体が豪華な家具に勝る嫁入り道具」
になるように、いろんな面の軌道修正を
しながらもしばらく子育てを頑張るつもりです。

こどもたちが大人になり、母になったとき、
私のしてきた失敗を繰り返さず「自然良能」を理解し、
生かして自分や家族を守ってくれるようになったら幸いです。

ちょうど今日で通院9ヵ月になります。
なんと明るく、楽しく、そして、得ることの多い月日だったことか。

たくさんの人と巡り合え、温かくっつみ、
励ましてくださった力は大きく、肉親以上のものでした。

教えられ、学んだことの幅の広さと奥の深さは、
職場にいたのでは望むべくもありません。

笑い声が巻き上がる待合室の明るく楽しい雰囲気。
病院の暗く、陰気なそれとは雲泥の差。

痛い者同士が声をかけ、いたわりあい、涙を流したり、
励ましあったりする中で、笑い声が半がる治僚所だったからこそ、
回復の希望も待て、楽しく通わせてもらえたのだと思います。

先生そして仲間の皆さんの支えがあってこそここまでこれたことに、
改めて感謝し、お礼を言いたいと思います。

初診では、骨盤腰椎は右に大きく捻転して
硬縮もひどく、脊柱も板状に硬縮していました。
家庭、学校と多忙の身でありながら、早く治したい一心で頑張られました。

後日、本人が述懐しておりましたが、
初産の時、9時間にも及ぶ難産だったそうです。
骨盤の硬縮はかなり以前からあったようです。

かつてのスポーツマンも、骨盤を狂わして固めると、
後々になって苦しまなければならないことを実証しています。

また、ムチウチ症など頚椎の狂いも骨盤から治療する以外に方法はない
ということの証しにもなりました。

このムチウチ症の治療で教えられたことは、
それまで薬や注射で固めてきた病気は数年前であっても20年前であっても、
経験した病気はなんらかの形で再認されながら、これまでの症状の経過通りに
日を追って治っていくということです。

すなわち「こわれたように治ってゆく」
のが自然良能の治療経過なのです。

月刊自然良能より