④ 交通事故3度全身の後遺症が

2週間目の終わりくらいに、
「比較的よく効くようだからしてみますか」と言われ、
一刻でも早く痛みから解放されるならと、
3日おきくらいに4回、首にブロック注射をしてもらいました。

頭痛は1回でほとんどとれ、テレビも見られるようになり、
トイレにも手すりをつたえば行けるようになりました。

しかし首はあくまで解放されず、フィラデルフィアという顎までガッチリと
固定してしまうコルセットでないと、ベッドから離れることは許されませんでした。

3週間目に入ると、治療も朝1回、
リハビリ室で牽引とマイクロ周波の電熱を当てるだけとなりました。

こうなると入院生活は退屈で、
同じ寝ているのなら子供の声の聞こえる家のほうが
気が紛れると思い、外泊許可をもらって家に帰りました。

自然良能会を紹介してもらい、翌日、初めて治療を受けることができました。

まだ痺れと痛みで左手は使わず、
支えていないと頭も起こしておれない状態でしたので、
首にコルセットをはめ、そろりそろりと車を走らせて、連れていってもらいました。

治療が終わると先生が、
「せめて2週間続ければ、楽になりますよ。
いま楽になっても、(元に)戻りますからね」と言われました。

たった1回の治療で、頭はスッキリとなり、
かすんでいた目の前がパアーッと明るくなりました。

あれほどしつこかった肩や手の痛みや痺れも薄らぎ、
魔法にでもかかったようでした。
帰りは、車に出合うところまで500メートルほど歩けたのです。

びっくりしている主人に、
「退院して通う。絶対よくなると思うので、
今日の先生にかけてみる」と言いました。

病院のほうも経過があるので、
そう簡単には退院させてくれません。

外泊をしては、「炊事ができました」
「洗濯をしてもどうもないです」
「フラフラもしません」などと半分は嘘をついて、
毎日リハビリに通うことを条件に退院させてもらいました。

翌日から電車で通院、毎日、1日2回の治療を受けはじめました。
しばらくの間は病院と掛け待ちでしていましたが、
牽引や電気の治療で治ることはまずありません。

「まあ、気休めみたいなものです」
という言葉が医師の口から出てくるし、
痛いと言えば、「効果はあまり望めない」
というような血管を拡げる注射や
神経ブロックをすすめられる病院の治療には、
無責任さは感じても、もはや魅力はなく足は遠のいていきました。

左ばかりに症状が出ていたので、先生がモニターを見ながら、
「首は左だけれど、他はすべて右が悪い。
腰も右にねじれてスキー場のようになっています。
これを治さないと首ばかりさわっていてもダメです。

遠くから遠くからですよ。
元々要因があったうえに、
ご丁寧に2回もトドメをさされているのだから、
根は深いのであせってもダメです」と言われ、
なるほどと思う反面、もうひとつピンときませんでした。

出来る範囲で曲げたり、伸ばしたり、広げたり、
ねじったりの体操をし、腰をひねり、首をひねりしての治療は、
病院での治療と全く反対の治療といってもいいと思います。

全身が固く、調整される所々が痛く、
体に力が入り脂汗の出る思いでした。

おなかも固く、痛さに目を閉じ息をつめていたものです。
手とり足とりして、バンド巻きや体操を教えてもらいながら待ち、
治療を受ける中で、ムチウチの症状は
1週間ごとにベールをはぐように楽になっていきました。

3週間もたつと、頭痛もとれ、使いものにならなかった左手も楽になり、
知らない間に荷物を待っていたりして、自分で驚いていました。

1ヵ月も経つと、忘れていた痛みや、思わぬところに痛みが出はじめて、
嬉し泣きをしていたものです。

勝手に治療を進級して車で通うようになり、
先生に「今度は追突されても大丈夫やで」
と言われていたのですが、それが本当になろうとは・・・。

3回目の追突です。
飛び込んでくる車をバックミラーで見た瞬間、
「またやられる」と、目をつむってハンドルを握り締めていました。
ほんの1、2秒の問の出来事です。

警察でのことが終わると、
一目散に治療所に車を走らせました。

やはり翌日の午後にはムチウチの症状が出て
元の木阿弥になったショックで打ちひしがれていました。

しかし次の日、治療が受けられ、
夕方にはウソのように楽になっていました。
日曜日の様子を知っておられる方が、
月曜日に治療所で私を見て、その元気さに別人かと思われたそうです。

回復は早く、2週間もすると頭痛もとれ、
また車に来れるようになりました。

月刊自然良能より